2)興味(1)


事務員さんはちょっとおどろいて、それから「いままでキミは、なにをしてたの?」とおれにたずねた。家でふてくされてました、とこたえると、事務員さんはほほえんで、予備校の学生証をさがしてきておれにてわたしてくれた。そのときの事務員さんの、おれの目をのぞきこんでくるヒトミに、事務員さんはおれに興味をもってるんだなと気がついた。けれどもいい気になってる場合じゃない。「きれいなひとだなあ」とおれは事務員さんをみてそうおもっていて、だから事務員さんは、おれよりもずっと深いところで「ああこの男の子は‥」とおれのことを品定めしていたとおもうからだ。

[19,12,1999]
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