| [2001年01月13日] おみやげ |
| しょうがやき定食(ひる) いたりやのくいもの。ビール(ゆう) |
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発作的に温泉旅行にでかけることがある。地図をひろげて、適当に目的地をえらび、宿もなにもきめずにエイヤと出発してしまう。もうずいぶんまえのことだけど、そんなふうにでかけた温泉地で、一晩やっかいになった温泉旅館で、でてきた夕ごはんにつかわれていた茶碗が家でおれがつかってたのとおんなじである。ちょっとおどろいて仲居さんにきくと、宿のオリジナルだという。するとつまりおれが家でつかってる茶碗はだれかが、たぶんうちのおふくろがここでかってきたのだということになる。おふくろもいぜんこの宿にとまったことがあって、それでこの茶碗が気にいってかってかえってきたのだろう。なんだかたいへんな偶然に感激して、それから、おれもおみやげにこれをかっていこうときめた。よくあさ宿をたつまえに、ロビーのよこにあるおみやげコーナーにいって茶碗をさがした。だがどうにもみあたらない。店員さんにたずねると、宿でつかっている茶碗や湯飲みはうりものじゃないという。むかしからうっていないという。そんなはずはない、おれは家であれとおなじ茶碗でめしをくっているのだと強く主張すると、むこうはけげんな顔をする。いやな予感がして、家にかえってこのことをおふくろに話すと、あんのじょうわらわれた。あれはかったんじゃないよ、もってかえってきたんだよ、いいんだよ、宿代にはいってるんだから、と反省の色もなにもない。だっておれは宿のひとに、母がおみやげにこれをかってきたっていっちゃったよ、ヘンな顔されたよ、とうったえると、ははは、ば〜か、とひとごとのようにわらう。血をわけた実のおやこなんていっても、しょせんこのていどのものである。 |
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