[2004年08月29日] メル友募集

メル友募集のコーナーをながめてるとけっこういい時間つぶしになったりする。みんないろいろとじぶんをアピールしていてたのしい。でもときどき、ちょっとこれはどうかなあ、というのもあったりする。痛いとか、デムパとか、そういうのももちろんある。でもそれいじょうに、なんだろう、なんていうか、セキララなのがあったりする。それも必要以上に。ほんとにこれでメル友というか、恋人なり結婚相手を募集しているつもりなんだろうか、とクビをかしげざるをえないのがあったりする。こないだながめていたのだと、こんなのがあった。

「52歳、男。結婚相手募集。会社をリストラされたのがきっかけで妻とは別れました。その後、けんめいの就職活動の結果、いったんは再就職先がみつかったのですが、けっきょくそこも退職することになり、現在は無職です。状況はきびしいですが、こんなわたしを支えてくれる女性がいたら、よろしくお願いします」

が、がんばってください。おれにはそれしかいえません。残念ながら、おれは男なので、結婚相手にはなれませんが、陰ながら応援しています。ていうか、おれが女だったとしても結婚相手としてはちょっと、あの、なんていいますか、にんげん、あんまり正直なのもどうかとおもいます。いわないほうがいいことをいわずにいるのも、それはそれで、そんなに責められることではないのではないでしょうか。だまっていることというのは、もしかしたら嘘をいうのとおなじくらいの罪なのかもしれないけど、でも、背に腹はかえられない状況っていうのはたしかにある。秘密のひとつやふたつ、あったっていいじゃないですか。そういうところからメル友をはじめて、ようすをみながらすこしずつうちあけていったっていいじゃないですか。じゃないと、そうそうエモノはかからないんじゃないかと、おれなんかはおもうんですけど、どうですかね。ではつぎ。

「四十代、男。恋人募集。既婚で子供はふたりいますが、家族との会話はいっさいありません。仕事の関係で深夜の帰宅が多く、ふだんはめったに家族と顔をあわせません。たまに妻や子供たちと一緒になっても、まったく無視されています。早朝、家をでるときに、「いってらっしゃい、いってきます」とじぶんひとりでつぶやいて靴ひもをむすび、玄関をあとにします。もし、気のあう女性と出会うことができて、癒してもらえたなら、いつでも家庭を捨てられます。どうぞよろしくおねがいします」

よんでいて、ちょっと目になみだがにじんでしまいました。がんばってください。うう。じぶんの苦境をめんめんとつづることで、女の人のあわれみをさそって、それでメル友をえるという高等な手口がはやっているのでしょうか。メル友募集界はもはやそんなところまでいってしまっているのでしょうか。と、そこまで深読みしたくなるような自己紹介でありました。でも、おれが女だったら、やっぱりこのひとにはメールはしないです。するにしても、恋人候補としてではなく、「あきらめずにもっと家族とのコミュニケーションをはかってみてください」とはげましておわりな気がする。ていうか、ちょっとまてよ、だいたいそもそもかんがえてみたら、既婚で恋人募集っていうのはなんなんだ。そんな夢のような。じゃなくて、そんなあつかましい。そんなのいかん。ずるいぞ。同情してそんした。じゃあつぎ。

「二十代。男。恋人募集。会社の同僚からはよく、やさしいといわれてます。気が弱いといういいかたもありますが。現在、自己破産中です。こんな男でよかったら、よろしくお願いします」

結構です。

つづき。いっそこんなのがあったらイヤだなあというのをちょっと考えてみました。

「42歳。男。淫行条例に引っかかって逮捕、妻には離婚されました。パートナーを募集します。対象相手は小学生に限定させていただきます。結婚を前提としたおつきあいをお願いします。じっくりと二人の愛をはぐくんでいきましょう」

「七十代前半。男。話相手募集。末期の癌で余命3ヶ月と診断を受けました。どなたか、こんなわたしを最期までしっかりと見届けてくださるかたはおられませんでしょうか。あまり時間がありませんので、早急にご連絡をお願いします」

「33歳。男。恋人募集。婦女暴行と監禁の罪で先週まで服役しておりました。やさしいだけの男は飽きた、刺激とバイオレンスを求めるという貴女。おたよりお待ちしております」

「56歳。男。恋人募集。恥ずかしながら自分は童貞です。とうとう、一度も女性経験のないまま、このとしになってしまいました。とっくにあきらめているつもりなのですが、このまま死んでいくのかと考えるとたとえようもない寂しさをおぼえます。わがままやぜいたくのいえる立場にないことはじゅうぶんに理解しております。どなたか、わたしをなぐさめてくださるかたはおられませんでしょうか」

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