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●アルバトロスという配給会社はどうしてああもピンポイントでひとの精神の弱い部分をついてくるのでしょうか。きのうレンタルビデオ屋にいったら『チアリーダー忍者』というタイトルの新作ビデオがあって、ぐらぐらときました。わたしはチアリーダーものはけっこうすきで、忍者ものもそこそこすきで、だからかなりみたくなりました。しかし、このあやしげなコラボレーションは、きっとアルバトロスなんだろうなとパッケージをみて確認したらやっぱりそうだったので、そうとううしろ髪をひかれつつ、借りるのをこらえました。しばらくまえに『女子高生チェーンソー』というビデオがあったのですが、これを借りるのをこらえきったのがよい経験になっています。あれをこらえるのはつらかったです。なにしろわたし、チェーンソーものは、これはもう、ものすごくすきです。問答無用でみたくなります。しかもそこに女子高生ときてるんだから大変です。個人的には「これをみずしてなにをみるのかッ?」というくらいの『女子高生チェーンソー』でしたが、我慢しました。耐えぬきました。たぶん、わたしがひとりみであったらまちがいなく借りていたとおもいます。でも、わたしには妻がいて、しかもどうも妻は、わたしが借りてくるビデオに対して辛辣な批評をすることがおおいんです。そんな妻にむざむざとアルバトロスのビデオなんてみせたら、あいやアルバトロスはわるくありません、すばらしい配給会社です、それはもう最高ですピース、で、ともかくそのアルちゃんのビデオをみせてしまったら、おこられるのは目にみえています。いかりくるったあげく、またこんなつまらないものにおかねをつかって、と、すくないおこづかいをさらに減らされてしまうかもしれない。ていうかもう、そうなるのは目にみえてます。それだけは避けねばならない。わたし、こらえました。まるでチェーンソーではらわたをかっさばかれるような、まさに断腸のおもいでこらえました。このくるしみを耐え抜いたとき、わたしは、おとなへの階段の第一歩をのぼった気がしました。四十年かかりましたが、ついに、わたしもおとなになりつつあるのだ、と実感しました。…とかいいつつ、こんど妻がるすのときに『女子高生チェーンソー』と『チアリーダー忍者』を二本立てで借りてこようとおもってたりして。ニンニン。
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