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→さて、ひさしぶりにサクムンをしよう。サクムンというのは作文の意である。高校生のころよくあそんだ女の子がそういっていた。彼女は並はずれてくちのまわらない女の子で、骨肉腫が発音できず、なんど挑戦しても「コツニョクシュ」になってしまうのがよかった。彼女にかかれば荻窪はオミクモだし、ピップエレキバンにいたってはピップペペピパンだった。
→ナインティーン・シックスティナイン(1969)といえない女の子もいた。どうしてもナインティーン・シックスティーンナインになってしまうのだ。ナインティーンとシックスティナインを個別にいうことはできるんだけど、つなげていうことができない。ということはつまり、ホテル・カリフォルニアがうたえない。どうでもいいけど。
→大学のころの後輩に「オレなんかよお、バカだからよお、云々」という口調でしゃべる女の子がいて、わりと気にいっていた。「オレさー、先輩とおんなじとしに入学したかったなー、先輩と四年間をすごしたかったなー」てなことをしみじみといわれて、ぐっときた。そういえば高校のときの後輩にも「オレよお」みたいなしゃべりかたをする女の子がいて、これもわりと気にいっていた。もしかしたらああいうしゃべりかたによわいのかもしれない。
→でも高校生のとき地元でバスにのっていたら、セーラー服の女の子たちがじぶんをオラとよんでいたのにはまいった。
→いぜん仲がよかった女の子で、クイモノの話になるとすべてをわすれてしまう女の子がいた。ぷりぷり怒っているときなんかでも、「ねえ豆腐は絹と木綿とどっちがすき?」なんて話をもちかけると、それまでのことをコロっとわすれてくれる。あれには重宝した。
→金沢の女の子には金沢の方言をおしえてもらった。
→沖縄の女の子には沖縄の方言をおしえてもらった。
→韓国人の女の子には韓国語をおしえてもらった。
→ブラジル人の女の子にはポルトガル語をおしえてもらった。
→そのたいろいろ。みなさんお元気ですか? おれはあいかわらずはこのように、無意味なまでに元気です。‥元気なのかな。元気なんだろうな、たぶん。じつはいま、ものすごく歯がいたい。ものすごく。
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