|
●いまあついもの。あつくてあつくて、一瞬たりとも目がはなせないもの。いやもしかしたらさむくて目がはなせないのかもしれないけど、どっちにしても目がはなせないもの。それがヴァンフォーレ甲府(以下甲とする)である。そういうサッカーチームがあって、いわゆる「J2」のリーグで戦っている。J2っていうのは、Jリーグの一部分ならしい。Jリーグにはどうも「J1」と「J2」というのがあるらしい。よくわからんけど。いつもテレビで中継をやってるのはJ1の試合で、そこで負けがこむと「J1陥落の危機!」とかさわがれたりするけど、じゃあどこに陥落するかというと、そのおちゆくさきがJ2ならしいです。よくわからんけど。
●甲はそのおちゆくさきでリーグ戦を戦ってるチームのひとつで、プロである。このプロチームの現在の戦績はというと、1勝1分23敗である。星取り表みたいにしてあらわすとこんな感じである。
●○●●●●●●△● ●●●●●●●●●● ●●●●●
●そもそもふつうサッカーというのは、そんなに負けられるものじゃない。弱い弱いといったって、三割くらいは勝つものである。いくらなんだって二割は勝つ。それが甲のばあいは、一割にさえみたない。もはや電卓たたいて計算する気もおきないくらい、それはあきらかだ。おれもパチスロをするたびに負けている印象があるけど、でもこれよりは勝っている。さすがに。たとえば香港のナショナルチームみたいに、昼間は香港信用金庫ではたらいて夜になるとサッカーの練習をしてるんだというひとたちがあつまってつくられたチームがワールドカップにでてきたのなら話はわかる。一割も勝てなかったとしてもそれはわかる。でも、甲はプロチームである。ずばぬけた選手はいないかもしれないけど、それなりにサッカーをやってきた選手たちがあつまって、しかも一日じゅうサッカーの練習をしてるわけである。まがりなりにもプロなんだから、ふだんはあのシロクロのタマをけっころがしてるわけである。甲府信用金庫の軽自動車に乗って得意先まわりをしてるひとなんていない。サッカーの練習をしてるわけである。にもかかわらず、いったいどうしてこんなに見事に負けられるのだろう。負けつづけられるんだろう。ここまでやられると、なんか、ひとつの道を極めようとする男たちの姿というのがかいまみえてくる気さえする。それがどんな道なのかはわからないけど。
●そんなわけで、いま目がはなせないもの、それが甲である。じつはきょうも水戸ホーリーホックスだかワーカーホリックスだかいうチームと富士山のほうで試合があったのだが、あんのじょう負けたそうである。引き分けをひとつはさんで、これで21連敗である。もちろんJリーグのかつての連敗記録なんてとっくにつきやぶって、ぶっちぎりの記録更新中である。ゆけゆけ甲。夢の38敗をめざして。
|