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●新聞なんかをながめていて、遺伝子情報解明がどうのとか、新薬開発がどうのとかいう話題がでてくると、そのあとかならずインポ(以下甲とする)とハゲ(以下乙とする。なぜかはきかないでほしい)のはなしにつながっていく。それでそれは甲に効果があるのか、あるいは乙にたいしてはどうなのか、とそういうはなしにつながっていくことになっている。ちょっとわらえるけど、でも、ちうねんだんせいにとってそれはそのくらい切実なことなんだということをどうかわかってもらいたい。
●たしかに、磯野波平氏の頭頂毛をプチっとひっこぬいてみたいとか、バーコード氏に本物のバーコードリーダーをあててピっと読ませて「398円になります」といってみたいとか、そういうのはしぬまでにいちどはしてみたい行為ではある。これをやるまではしんでもしにきれないというきみの気もちはわかる。おれもしにきれない。が。んが。んがしかし、そういう欲望というのはひそかにむねにしまっておいてほしい。暗黙の了解ということにしておいてほしい。それがおもいやりというものだ。だいたいそんなこと、かんがえただけで胸がいたむ。いたむだろう? いたむはずだ。いたみなさい。いたんだか。よし、それがひとのこころというものだ。おまけにそもそもちうねんだんせいというのは、その件にかんしては、ひじょうにデリケートなのだ。傷つきやすいのだ。繊細なのだ。じっさい、ちうねんだんせいが寄り集まって甲と乙の話題になったりすると、それはもう切実なことになってしまう。いちどきいてみますか? ほんとに、涙なしではきけないよ。
●ところがひとは、とくに女の子たちというのは、なぜかそのことをちっともわかってくれない。それどころか、ここぞとばかりにズバズバとものもうしてきたりする。いぜん居酒屋で飲酒していたらとなりのテーブルの女の子たちが「甲と乙とではどちらがミジメか」という、言語道断というか、神をもおそれぬ話題でもりあがっていたことがあって、それこそ「甲乙つけがたい」ともりあがっていて、ハタできいていておれは義憤にかられてしまった。「これはあんまりだ」とおもわないわけにはいかなかった。ほっけを顔面にぶっつけて「ほっとけっ」とさけんでやりたくなってしまった(かなりくるしい)。
●というわけで、いいですかみなさん。おねがいですから、甲と乙の件にかんしては、くれぐれもそっとしといてください。ふれないようにしておいてください。おねがいですから。
●でもちうねんだんせいのセクハラのほうがよっぽどタチがわるいんだからそれくらいガマンしなさいといわれるとちょっとこまるめんはある。
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