[2001年01月27日] 空がみえたほうがいいじゃない
菓子パン(あさ)
牛丼(ひる)
やきうどん。すきやき。めし(ゆう)

 おれの学校は池袋にあって、電車の駅から大学までおそろしくながい地下道があった。西武線の改札から大学への出口まで、池袋駅の東の果てから西の果てまで、ながいながい地下道をとおっておれは学校へかよっていた。あるひその道で、直子さんにでくわした。彼女はサークルがいっしょの同級生の女の子で、山手線の改札からでてくるところだった。おれたちはならんでおしゃべりをしながら学校をめざしてあるいた。ところがとちゅうで彼女がおれをよびとめた。それは地下道の出口の階段で、まだ学校への出口はずいぶんさきだ。
「ここからでようよ」と彼女はいった。
「なんでこんなところからでるのさ、地下道からいったほうが近いだろう」とおれがきくと、
「だって、空がみえたほうがいいじゃない」と彼女はこたえた。
 なんというか、それは詩的な一行だった。しかも、そのとおりだった。たしかに空はみえたほうがいい。そして彼女は毎日、空のみえる道をえらんであるいていたのだろう。こんなことをいわれちゃうと、ちょっとすきにならずにいられないよね。
 彼女はいまも、空のみえる道をあるいているのかなあ。

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