[2001年03月31日] フミコさん
ぎょうざ。はるまき。めし(あさ)
スパゲティー(ひる)
うなぎ。めし。しる(ばん)

→旅先でフミコさんにであったのは十年いじょうもまえの夏のことで、フミコさんとおれはそれから二週間おなじ旅をつづけた。ひとつのおなじ船にのり、ふたつのおなじ飛行機にのり、そのあいだずうっとおれたちは一緒だった。日本でもあおうよ、といって手帳と万年筆を彼女がおれにわたしてくれたのは飛行機のなかだった。そこにおれは連絡先をかき、じゃあおれにも連絡先をおしえてよ、とおれはそのときひろげていた文庫本を彼女にわたした。これにかいちゃっていいの? いぶかる彼女におれはさいしょのページをひろげて、ここにかいてよ、とゆびでしめした。
→けっきょくそのあとフミコさんとあうことはなかったが、フミコさんが連絡先をかいてくれた文庫本はそのあともときどきひろげることがあって、ひろげるたびにああ、そういえば、とフミコさんのことをおもいだす。「完璧な文章などといったものは存在しない。」そういう一行ではじまるその本のさいしょのページの余白で、フミコさんが連絡先をおしえてくれている。そしておれはなんだかおかしくなる。なぜならフミコさんのその数行はおれにとって完璧な文章におもえるからだ。
→フミコさんは元気でいるのかな。
→もうあうことはないかもしれないけど、あのときの旅行はたのしかったです。(ってこんなところでいっててもしょうがないか)

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