| [2001年04月18日] 黄色いリボン |
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菓子パン(あさ) すぶた定食(ひる) とりのあげたの。さかなのフライ。めし(ばん) |
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カノジョはいるのときかれて、そんなのいるわけがないとこたえると、じゃあ紹介してあげると太田さんはいいだした。よけいなお世話だった。おれは彼女なんていらなかった。紹介してもらうものでもないとおもってた。そういう種類の男女の関係のありかたを毛嫌いさえしていた。けれどそんなことはくちにはしなかった。顔にもださなかった。それどころか、うれしくってしかたないというふうな笑顔をつくった。ぜひたのむとこたえた。太田さんが紹介してくれる女の子と性交をしたかったからだ。彼女はいらなかったけど、性交をさせてくれる女の子はほしかった。おれは、いろんな女の子と性交したかった。できるなら、まいにちちがう女の子と性交したかった。そういう日々を夜中にふとんのなかで想像した。きょうはこのまちの女の子で、あしたはとなりまちの女の子で、あさってはさらにそのとなりまちの女の子で、とかんがえた。まるで夢のようだ。興奮してきて、しまいにはパンツいっちょうで街のなかをかけずりまわりたい気ぶんになった。二十歳のころだ。そのためには、なるたけたくさんの女の子としりあいになる必要があった。どんなチャンスものがさないように、いつも油断なくみがまえてる必要があった。嘘をつかなければならないこともあったし、むりに笑顔をつくらなければならないこともあった。なんでそうまでして多くの女の子と性交したかったのかというと、勃起をしたからだ。そのころおれはじぶんでもあきれるくらいねんがらねんじゅう勃起した。関係のあるところではもちろん、関係のないところでも勃起をした。たとえばおれは青山学院大学の入学試験の日、英語の試験をうけてるさいちゅうに勃起をした。労働と余暇にかんする長文をよんでるときだった。どうしてそんなときにまで勃起をするのか、おれにはわからなかった。それは、おれのアタマでは制御できないことだった。勃起すると、射精したいとおもった。女の子の性器に射精したいとねがった。ねんがらねんじゅう勃起したので、ねんがらねんじゅう女の子の性器に射精したいとねがってた。おれのつくり笑顔をみて太田さんは、くりたくんはどういうタイプの女の子がこのみなの、とたずねてきた。どういうタイプもこういうタイプもなかった。ひとまずだれでもよかった。性交をするのにこのみをいったりするのは、それは贅沢というものだとおもってた。おれは謙虚なにんげんだった。もちろんできるならきれいな女の子がよかったけど、水牛みたいなのでもまあいいやとおもった。やせてるのもふとってるのもよかった。行儀がいいのも態度がわるいのも、しっかりしたのも情緒不安定なのもよかった。おおむねすべての女の子に興味があった。そういうわけでともだちはおれを、じんるい愛の男とよんだ。だれとでも性交する男という意味だ。けれどそういうのも太田さんをがっかりさせそうなので、それでおれはこんな女の子がいいなというのをそのばでおもいついたままに話した。 |
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