[2001年07月05日] スズキ
菓子パン(あさ)
かつどん(ひる)
やきにく。ビール(ばん)

→スズキという女の子が職場にいて、けっこういぜんの話なんだけど、彼女に用事をたのみたくて、「おうい、スズキ〜」とよぶと、「きんたま〜」と返事をされて絶句してしまった。その場には数十人の同僚がいて、ひとしくみんなあぜんとした。だってスズキはまだ新人で、女の子で、それがとつぜん「きんたま〜」と元気にいいだしたんだからたまらない。「えっ」とみんなして話をやめて、あるいは手をとめて、スズキをみた。はりつめた空気のなか、スズキはみんなに注目されて、じぶんがとんでもないことをしでかしてしまったことに気がついたらしい。「いや〜、さいきん欲求不満でさあ〜」とわけのわからんごまかしのことばをおれになげつけてきた。たすけをもとめてるらしい。でもそんなのもとめられてもこまる。おれはシモは苦手なのだ。みんなはどうおもってるかしらないけど、じつはかなり苦手なのだ。このときもびっくりして、それからただひたすらにとまどってしまって、そうしておれのとった行動は、スズキに背をむけて無視をすることだった。それからスズキは自力でなんとかごまかそうとしてさらになんだかんだいうんだけど、そのどれもがシモで、いえばいうほどみんなあきれてしまって、そうやってスズキはふかくしずかに沈没していったのだが、おれにはどうすることもできなかった。ただ赤面をして背をむけつづけるだけだった。本来ならば新人の女の子がおぼれかけてるんだからなんとかしてたすけぶねをだすべきだったんだけど、「きんたま」のひとことがあまりに衝撃的で、おれにはどうすることもできなかった。すまないことをしてしまったものだといまはおもうけど、フォローのしようもなかったともおもう。スズキよ。なんで「きんたま」なんだ。おまえはいったいあのときなにをかんがえていたんだ。それからしばらく「スズキ〜」「きんたま〜」というしりとりは職場の流行語になってしまったんだけど、やっぱり100パーセントその責任はスズキにあったとおもう。
→それからしばらくして、おれはスズキに恋してるじぶんに気がついた。恋におちる瞬間というのはいろいろある。ドキっとしたとき、ひとは恋におちる。おれがスズキに恋におちた瞬間は、やっぱり「きんたま」だったような気がする。みとめたくはないんだけど、でもやっぱりあれでドキっとして、それからスズキをどうしても意識してしまうようになった気がする。
→きんたまでおちる恋もある。
→このむとこのまざるとにかかわらず。

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