[2002年01月21日] 猟
いちごスペシャル(あさ)
カレーライス(ひる)
てんぷら。めし(ゆう)

 十五年ばかりまえに利根川の河川敷のテニス場で平和にテニスをしてたらとつぜん空から豆ツブのようなものがバラバラとふってきて、なんだなんだとひろいあげてみたところ、散弾だったことがある。そういえばさっきからとおくのほうでパンパンとおとがきこえるのは、あれはだれかが散弾銃をぶっぱなしてるおとであったかとおもいあたった。このあたりにもテッポーずきのひとというのはいて、そのへんで殺生をおこなっている。たまたまその日はちかくで殺生をしていて、そのタマがテニス場にふってきたらしい。「お〜〜〜〜い、タマとんできた〜〜〜〜、撃たないで〜〜〜〜」と、相手の姿がみえないのでしかたなく周囲にむかってさけぶと、はるかかなたの方角から「いったか〜〜〜? わるかったな〜〜〜〜」とこえがかえってきた。やれやれ、これでもう撃たれるまいと安心してテニスを再開すると、ところが五分ばかりして、またタマがバラバラバラとふってきた。これにはさすがにむかっときておもわずケンカをうりそうになってしまった。ヒトにむかって撃つんじゃないっ。それともおれたちをねらってるのか? エモノはおれ? ほほう、おもしろい、その挑戦、うけてたつっ。と瞬間的にはそうおもったのだが、しかしそこでさらにしみじみかんがえてみると、これで戦いを挑んだとして、とうてい勝てるとはおもえない。なにしろむこうはテッポーをもってるのにたいしてこっちはほとんど丸腰なんである。武器らしきものといえばラケットとボールしかない。テッポー対テニスラケットおよびテニスボールというのは、ドイツ機甲師団に騎馬でたちむかってったとかいうポーランド軍よりひどい。しょうがないので挑戦はあきらめて、テッポーダマのとびかうなかでおとなしくテニスをした。ポ〜〜〜ン(テニスのタマをうったおと)、パンパンパン(散弾銃をぶっぱなしたおと)、バラバラバラ(タマがふってきたおと)、ポ〜〜〜〜ン、パンパンパン、バラバラバラバラバラ、とさまざまなおとの交錯する、手に汗にぎるふしぎなテニスでした。

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