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ワールドカップの日本戦が18日に宮城であるんだけど、その観戦チケットの引換カードをもっていて、有楽町の国際フォーラムというところで発券してくれるというのでいってきた。有楽町の駅の改札をぬけるなり、「チケット譲ってください」とかいた紙をもった女の子がいて、なんだかすごいものだなあとおもう。これまでの日本戦の試合会場にもおなじひとたちがたくさんいたけど、チケットの引換所にまできてるなんて、ねっしんだなあと関心しながらチケットをもらって、それから有楽町の金券ショップを数軒まわった。さすがに宮城までは観戦にいけなので、いっそ金券屋に売りとばしてしまおうとおもったのだ。ところがどの店でもワールドカップのチケットは扱わないという。どうもおれのしらないところでそういう協定ができちゃっているらしい。しょうがないので、国際フォーラムのいりぐちで「チケット譲ってください」の紙をもっていたみしらぬ友人にチケットをゆずることにした。いってみると、いつのまにかそういう友人たちはずいぶんふえていて、有楽町の改札と国際フォーラムをへだてた道の両側をうめつくすほどになっている。そのうちのひとりにこっそりこえをかける。「一枚あるんだけど、どうですか?」ひさしぶりのダフ屋行為である。十九のとしの夏にダフ屋をしていたことがおれにはあって、もう二十年ぶりである。彼女はちょっとおびえながら、どんな席ですか、ききかえしてくる。いい席みたいですよ、とおれ。いくらですか、と彼女。そもそもおれがチケットを入手するために支払ったのは定価225ドルプラスFIFAテラ銭10パーセントの合計おおむね250ドルで、これを1ドル140円だかそれくらいの計算ではらったので、ええと、いくらなんだろう。よくわかんないけどイロをつけさしてもらって四万円でどうだ。と彼女にいうと、えっ、とあからさまにおどろいて無理ですとそっけなくいう。これにはこっちもちょっとおどろいて、いったい彼女はいくらでかうつもりできてるんだろうと、ここではじめて疑心暗鬼になって、あたりをよくみまわすと、どうもなんだかようすがおかしい。なにがって、このひとたちはちっとも青くないんである。青のシャツをきてるひとがひとりもいないんである。Gジャンに黒いTシャツとか、そういうひとばっかりなんである。おまけにどうも女の子しかいない。いくらなんでもこれはおかしい。そうおもってよくよくみまわすと、彼女たちがもっている「チケット譲ってください」のしたに、「TMR02」とかかかれていたりする。おれのもってるチケットには「FIFA2002」とかかれているんだけど、02のところしかあっていない。下2桁あってれば宝くじなら3千円くらいもらえそうだけど、やっぱりこれはどうもぐあいがわるそうである。そこでそういえば、さいしょ国際フォーラムにいっしょにきた配偶者が(彼女はとちゅうでおれをのこしてブランドショップめぐりにいってしまった)、そのへんの女の子たちをみながら「きょうはニシカワくんのライブがあるんやなあ」といってたのをおもいだした。ニシカワくん? ヨシカツくんではないのか? よくわかんないけど、どうもこの女の子たちはワールドカップのチケットを譲ってくださいといっているのではなくて、ニシカワくんのコンサートのチケットを譲ってくださいといっているのだとここにいたってはじめて気がついた。あぶねえあぶねえ。つうか彼女にチケット売らなくてよかったよ。ワールドカップのチケットもってニシカワくんのライブいかせちゃったらそりゃあんまりだっぺ。ははは。とひとりヒビヤの路上でわらってしまったという、ワールドカップのチケット騒動にまつわるこぼれ話をひとつご紹介しました。
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