[2005年12月13日] 茜色の夕日

●ツタヤでうろうろしていたら大本営発表みたいな店内放送で「茜色の夕日」という歌がかかって、きいていたら感激してなきそうになってしまった。いまだにそういうことがときどきある。そのあとレンタルで借りてきて、もう三日くらいこれしかきいてない。百回はまちがいなくききました。でもちっともおぼえてなくて、歌おうとすると「あかね〜いろの〜ゆうひ〜ながめてたら〜」までしかでてきません。でだしのところだけ。あとは断片的に「アリマシタ〜」とか「シ〜マッタ!」とか、ところどころしかでてこない。しかたないのでいきなり「アリマシタ〜」とかくりかえし歌っているととヨメに「なんやねん! なにがあったんや!」とつっこまれて、しかしおれにもわからず、「なにがあったんだろうねえ?」とたじたじとなったりして、なにをきいてるんだかわれながらよくわからない。すいません、そもそもこれ、なんの歌なんですか? こんだけきいてるのにさっぱりわかっていません。
●しかし、この録音は感動的だ。オルガンはおれの胸の中のスポンジにしみこんでくるみたいな音だし、スライドギターも夕焼けの空をひくく飛んでくし、ベースはなんにも主張をしないし(理想だ)、ドラムもいい音がしてる。とくにこのドラムというのは、ドラムのチューニングまでがわかるように録音されてるバンド音楽というのは、こんっなにバンド音楽がチマタにあふれまくっているのにもかかわらずじつはあんまりなくて、だからこういうのをきかせてもらえるとうれしくなってしまう。ドラムの音っていうのはむずかしいめんがあって、録音するとぜんぜんちがう音になる。おれはドラムのことはあまりしりませんが、録音用のチューニングというのがたぶんあって、しかもマイクのおきかたひとつで音がまるでかわったりして、そのへんの組み合わせはもう無限なので、気にいる音をつくろうとすると、おそろしく手間のかかる作業になる。音をきめるまでに一週間くらいはへいきでかかる。おまけにこまったことに、音というのは、似たような音を一週間もきいてると、感覚がまひしてきて、わけがわかんなくなってしまう。なにが良い音でなにがわるい音なのか、いじってるうちにわかんなくなってしまう。ドラムのレコーディングというのはほんとうにやっかいで、だいたいはそんなめんどくさいことにテマヒマかけてられないやというわけで、スタジオだって無限にかりてるわけじゃないし、だからちゃっちゃとエコライザーでそれふうに加工してしまったりするわけだけど、それをしたとたんにいっぺんに無価値な音になってしまう。エコライザーがすべての堕落の元凶だ。やってるほうはもちろん、百も承知なんだろうけど、でも、つかわざるをえない、しょうがない事情というのがあるんだろう。
●きくほうがわるいんだとおもう。やるほうもよくないけど、きく側がそれをうけいれてしまうから、こういうことになってしまう。みなさん、もっとドラムをちゃんととれ、とはっきり主張しましょう。せっかく人間にドラムをたたかせるのなら、まともな音でとりましょうよ、と。
●ドラムをちゃんととろうとする姿勢をみせてくれたこのバンドはフジファブリックというバンドで、ボーカルの出身地は山梨であるらしい。
●というわけで、ちと強引な話題のつなげかたですが、山梨といえば甲、ついにやりました。昇格しました。快挙であります。いぜんなんだかんだとからかっていたことがありましたが、ここで自己ヒハンします。おれがわるかった。おみそれしました。どげざ。

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