とり  星にねがいを

→願いごとの話をきくのがすきで、それでおれはこういう質問をよくした。
 「星に願いごとをしたことってある?」
みんな、いろんなことをこたえてくれた。

→「コロが天国へいけますうにって願ったことがあるわ」
「コロ?」
「小学生のときに飼っていた犬よ。コロが死んだとき、庭に埋めて、それからお星さまにお祈りをしたの。天国へいけますようにって」
 お星さま、コロをよろしく。

→「ロン・ウッドと結婚できますようにって願ったことがあるわ」
「ロン・ウッド?」
「高校生のころよ。ロン・ウッドがとてもすきだったの」
 お星さま、彼女とロンをよろしく。

→「子供のころからいつもおなじことを願っているわ」
「なんて?」
「教えるのがはずかしい」
「たのむから教えてよ」
「あのね、わたしのすきなひとたちが、みんなしあわせになれますようにって願っているのよ」
「そのなかにはおれもはいってる?」
「さあね。うふふ」
 お星さま、どうかひとつよろしく。

→「祈った祈った、こないだも祈ったばかりよ」
「なんて祈ったのさ」
「赤ちゃんができていませんようにって。ほら、こないだ生理がとまっちゃったことがあったでしょう? あせったもんねえ」
「‥‥‥」
 お星さま、あのときはどうも。

[28,10,1999]