[2000年7月25日] ビッグウエンズデ〜
菓子パン。(あさ)
ひやしたぬきうどん。(ひる)
すし。(よる)

●高校生のころわたくしがいちずな愛をささげていたむすめとわたくしが展開していたただしい男女交際といえば「はらじくをぷらぷらする」「しんじくで映画をみる」「いばらぎの田んぼみちでオ〜トバイをぷるんぷるんさせる」という、もはやナミダぐむしかないようなたのしい男女交際だったわけだけど、そんなある日「ビッグウエンズデ〜」という映画をふたりして見物した。映画館は満員御礼で、たちみだった。たちぐいならのぞむところだけど、たちみはすごくきらいだ。って、だれでもきらいか。ま、おれもきらいなんだけど、おまけに空調がよくなくて、むしあつい館内で、ぼけ〜っとつったったままながめたこのビッグウエンズデ〜というのがもうひどろい映画で、なにしろ話がぜんぜんなんだかわからん。どのひとがどのひとだったのか、いったいなにがどうしてそうなったのか、話の内容がわからない映画というのがあるけど、この映画がまさにそれで、なにがなんだかわからないまま、なんのもりあがりもないまま、波間でちゃぷちゃぷサーフィンをしてるまに映画はおわってしまった。なんだか九十九里浜かどっかにでかけて、たんに二時間ばかりぼけ〜っとつったって海をながめてたようなものだ。なんだよこの映画は。ひどいのをみちゃったなもう。とがっかりして家へかえった。ところが話はこれだけではおわらなくって、その翌週に、なんの因果かビッグウェンズデ〜をまたみることになってしまった。しぶしぶ映画館内にはいると、あんのじょうたちみだった。映画本編も、一週間たてばすこしはおもしろくなってるかともおもったが、やっぱり一週間まえとおなじで、波間でちゃぷちゃぷするだけだった。しかし、先週といい今週といい、まったく、なんでこんな、波にうかんだりのまれたりしてるだけの映画につきあうひとがたくさんいるんだろう。ふしぎでしょうがない。これがそのときのおれの正直なきもちだった。
●そのビッグウェンズデ〜を、十年もしてからテレビでみた。十年たてばすこしはおもしろくなっているかとおもってみていたら、おどろいたことに、ほんとにおもしろくなっていた。なんとっ、これってじつは、物語があるじゃないかっ。なんとっ。そのことに気づくのに、わしは十年もかかってしまった。しかも、おもしろいじゃないか。いや、おもしろいというのともまたちがうな。なんていうか、胸にせまるじゃないか。ひしひしとせまってきて、いたいほどじゃないか。ほんとにこれ、あのとき見物したあの映画なのか。おなじ映画なのか。と、感心してるおれのとなりで、いっしょにこれを観賞していた女の子が、「この映画はなんなんだ、さっぱり話がわからね〜ぞ」といきどおっていて、それがおかしかった。おれがはじめてこの映画をたちみしたときとおなじようなことをいっていきどおってる。おかしかったです。
●こないだの日曜日の夜に、なんの気なしにテレビをつけたら、衛星放送でまたビッグウェンズデ〜をやっていて、またしてもおもわずみいってしまった。う〜ん。やっぱり税金をおさめていくのってたいへんだよね。(そ、それが感想なのか)

沼の目次