[2000年8月26日] アスパラガス
菓子パン(あさ)
もりそば。天丼(ひる)
焼き魚。大根おろし。なすのみそしる。めし(ゆう)

●「○I○I」といえばデパートの丸井だけど、千住には「I○I○」というのがある。いまでもあるのかな。わからない。とにかく昔はあった。そしていまでもあるのかもしれない。I○I○ 。駅ビルにくみこまれたショッピングセンターだ。そこで買い物をすると「 I○I○」とかかれた紙袋に商品をいれてくれる。いっちゃわるいけど、丸井とそっくりである。ちょっと危険というか、「これっていいんだろうか?」と心配になるくらいにてる。丸井に怒られたりしないんだろうか。どうしてこの千住のショッピングセンターはそういった危険をかえりみずに 「I○I○」にこだわるんだろう。あえてそこまでする理由はなんだ? だいたい、これはなんてよむんだ? イマル? なんかヘンだなあ、と常磐線で北千住の駅をとおるたびにくびをかしげていた。二十歳のころだ。ところがあるひ、とつぜん気がついた。I○I○は、1010なのだ。せんじゅうなのだ。千住なのだ。電車のなかで気がついて、その場で失神しそうになった。いや、ほんとはちがうのかもしれない。たんなるおれの憶測なので、I○I○ にはほんとうはなにか、もっと深遠な意味がこめられてるのかもしれない。でも、とにかくおれはそう憶測して、そして失神しそうになってしまった。どうも世の中というのは、ときどきしんじられないようなモノがあるのでこまる。うかうかまちをあるいていられない。油断なくみがまえてなくちゃならない。そうやって気くばりというか、深読みをしながら渋谷のまちをあるいていたら、109についてもあるひとうとつに気がついた。これまたその場で失神しそうになってしまった。
●しかし、たいへんよけいなお世話なんだけど、こういうのはたしかに、おもいついたときにうれしいのはわかる。それはわかるんだけど、じっさいにほんとにネーミングしてしまうのはいかがなものだろうか。なんの罪もないひとに、あまりといえばあまりにとうとつに衝撃をあたえてしまうのは、いかがなものか。すくなくともおれは、あまりにとうとつに衝撃をうけた。真夏の暑い日で体力のない日とかだったら、へたしたらしんでしまいかねない衝撃だ。いちおうおれだって、善良な一市民である。たしょうは罪はあるかもしれないけど、ほんにん的にはなんの罪もない善意の第三者のつもりである。この善意の第三者に、かかる災難をもたらすきみはいったいなにものなのだ。つうか、こういうのってそもそも、会議とかできめるんだろう? だれかとめろよ。それはあんまりだと気づけよ。気づいたら指摘しろよ。それとも、もしかして、こういうのってあんまりじゃないのかなあ。よくわからない。
●いぜんトマト銀行というのができたときにちょっと話題になって、ちょうどそのころCIというのがハヤリで、いろんな企業がイメージ変革につとめたりしてた。ガス会社につとめているしりあいがいて、かれの会社でも、あたらしい社名があったら提案してくださいと社員によびかけてきた。かれも知恵をしぼってかんがえた。そしてとうとう「これだ!」というのをおもいついて、文書にして提出した。その名は「アスパラガス」。ちゃんとキャッチコピーもあって、「あすのパラダイスを築くガス会社、アスパラガス」なのだそうだ。話をきいて、おれなんかはけっこう感心したんだけど、それってわりといいんじゃないのかな、とおもったんだけど、ところが会社ではとりあってもらえなかったそうである。残念だなあ、とわがことのようにがっかりしてしまった。アスパラガス。いいよね、そういうガス会社。さいしょきいたときは「ふざけてるのか?」と一瞬おもうけど、でも、なれると親しみぶかい名前だとおもう。ぬかどこの商品で「ぬかよろこび」というのがあって、これをしったときにはかなりびっくりしたものだけど、でも、そういうのがあるくらいなんだから、アスパラガスだってぜんぜんかまわないじゃないかとおれはおもうんだけど。

沼の目次