| [2000年9月3日] ゆうみんぐ |
| はるさめ定食。ぎょうざ(ひる) ハンバーガー(ゆう) |
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●おいまてよ、そういえばおれはいまだに六本木というところにいったことがないではないか、ととうとつに気がついたのは十代のおしまいのことだ。そのしばらくまえにイナカ出のともだちが、することもないくせに深夜ひとりで六本木にでかけて、することもないので吉野屋で牛丼をくってかえってきたという話をきいたせいもある。なにしろおれもイナカ出なので、ほう、と感心し、やはり六本木の牛丼はちがう味がするかとたずねると「ぜんぜんかわらん」とのことであった。それから、そういえばおれだってまだ六本木童貞ではないか、と気がついた。こうしちゃおれん、ただちにいかねばと腰をあげ、地下鉄ヒビヤ線にゆられてかの地へでかけた。電車が到着し、改札をぬけ、地下鉄の階段をのぼりおえてまた気がついた。することがなにもない。なあんにもない。いったいおれはなにしにきたんだ? きたはいいが、なにをやったらいいんだ? ゴミをつついてるカラスにたずねてもこたえてはくれず、しかたがないので目についた喫茶店にはいってコーヒーを注文した。すると、むこうの席にこしかけている女がじいいっとおれをみている。やけに強力な視線である。なんだなんだとみつめかえすと、ますますみつめかえしてくる。だんだんミケンにしわがよってきて、みつめてるというよりも、にらんでるというかんじである。くやしいのでまけずにおれもにらみかえすと、むこうもさらににらみかえしてくる。そうやってえんえんと一分くらいにらみあっているうち、おれの全身から汗がたらありたらありとしたたり落ちはじめた。これを柳の小枝でとろおりとろおりと煮詰めたるのがこの油さあおたちあい、というのはうそだけど、なんだかカエルみたいでばかばかしくなって、けっきょく根負けしておれのほうから視線をはずした。そのあとおれはえもいわれぬ敗北感をしばらくあじわうことになったのだが、このときにらんできた女のひとというのが松任谷由美である。こういっちゃなんだが、これはひじょうにおっかない体験であった。できたらあのヒトにえんえんとにらまれるというのを想像してほしい。こんなおっかないことはざらにない。なんで松任谷由美にいきなりにらまれなくちゃならなかったのかはいまだにわからん。いずれにしてもひじょうにおっかない体験で、トカイちうのはまっことオトロシカとこですバイおっかしゃんとおれはしんそこおもい、そのあとはスゴスゴとねぐらへかえった。ぎゃふん。 |
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