[2001年03月14日] イーソー
菓子パン(あさ)
てんぷらうどん(あさ2)
カレーライス(ひる)
ぎょうざ。たんめん。ビール(ばん)

→あきこさんていうしりあいがいて、十代の終わりかそれくらいに彼女は雀荘のメンバーをしてたそうなんだけど、おれとしりあったころは麻雀に興味をうしなってたみたいで、それはおれもとっくのとうにそうだったので、おたがいに麻雀の話なんかはせずにいたんだけど、数年まえの正月、いつものメンバーがあつまったときに、せっかく正月なんだからいつもとはちがったことをしようよという話になって、それで麻雀がはじまった。ところがこのときのメンツというのがひどくて、フハネはおろか点数計算さえままならず、へたしたらピンフさえわかっていないような初心者ぞろいで、そんなところにまざってしまったあきこさんも災難だけど、まあなかなかできたひとなので、つつがなくわきあいあいとゲームは進行した。ちまちまとした点棒のやりとりがつづいて、ラス前になったとき、よほどあきこさんは油断していたのだとおもう、ホンロートイトイ小三元という、笑うしかないような手にフリこんでしまった。「く。」とおもわず唇をかみしめる彼女に「ざまあみろあきこっ。」「おもいしったかあきこっ。」「あ〜、せいせいした。」といった容赦のない罵声がとぶ。それでおもわずあきこさんはカッとなったのかもしれない。そのへんはよくわからない。オーラスになって、序盤、まだ五巡目かそれくらいのところで、だれかがイーソーを捨てた。それをみたあきこさんが「ロン。」と宣言して、パタパタと手牌を倒した。それはこんな手だった。

やぐまん

→そこには十人くらいのにんげんがいて、麻雀のルールをしるものはひとしく唖然とし、それから大笑いをし、ルールをしらないものは「なに、なに? これってすごいの? へええ。」と感心し、そんなふうにしばらく騒ぎまわることになった。見物人のひとりだったおれも笑いころげていたのだが、すこしして、どうも不自然な気がしはじめた。オーラスに四暗刻単騎で逆転トップなんていうのは、麻雀劇画の世界だ。麻雀劇画といえばツミコミとかスリカエとかがつきものだけど、ほんとにそんなことができるひとがいるんだろうか。やっちゃうひとがいるんだろうか。まさかとはおもうんだけど、でももしかしたら、と、どうも気になってしまって、あとでこっそりと「あれってイカサマなの?」とたずねたのだがあきこさんはにっこりとわらうだけでこたえてはくれず、それでいまだに疑問のままだったりする。

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