| [2001年12月27日] 有利 |
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いちごスペシャル(あさ) とんかつ定食(ひる) すし。もつにこみ。きむち(ばん) |
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もうずいぶんと前途有望な青少年の勉強をみてかれらの有望だった前途を破壊するという行為をつづけてきてしまったので、ときどきわけのわからない電話をうけることがある。こっちはきょうのわざをなしおえてビ〜ルなんかをのみながらこころかろくやすらいでるところに着信音がなって、なんだとおもってでてみると、「あのさ〜、時計でさ〜、六時と七時のアイダでハリが90度になるのってなんぷん〜?」ときかれたりする。おまえそのまえに本物の時計をみろ時計を。いま何時だとおもってるんだ。もう11時すぎてるじゃねえかっ。あしたのあさ六時までまって、ブンドキあててじぶんではかれっ。それともおまえもしかして、時計のみかたがわかんないんじゃないだろうなっっ。といいたいのはヤマヤマなんだけど、しょうがないので紙とえんぴつをとりだして計算をはじめる。晩ごはんをたべて入浴もしてグテ〜っとなったところだとわりときつかったりする。ぜんぜんアタマがはたらかないのだ。でもなんだかむこうは必死っぽいのでこっちもそれなりに必死になって解く。相手はおれのかつての、学生時代の同級生で、つまり、子供の宿題かなにかをみてるんですね。それで、解けないのや、やりかたがわからないのがあるとおれに電話をかけてくると。そういう無料電話相談センターみたいなことにいつのまにかなってしまっている。そういう電話をかけてくるオヤの子供というのはいわゆるお受験をする子供だったりするので、オヤとしては完全に真剣にせっぱつまってるので、ぜんぜん冗談が通用する雰囲気じゃないので、しょうがないのでまじめに問題にとりくむことになる。でも「政夫くんがリンゴを10個もっていて、民子さんがみかんを8個もっていて、さて、ふたりのアイはどこまで持続するのでしょうか」みたいな文章題ならまだいい。やっかいなのは図形問題で、「あのさ〜、シカクがあって〜、そのなかをマルの線でくぎってあって〜、それは四本あって〜、そのなかの面積っていくつ〜?」とかやられたひにはもう、おてあげとなる。おまえのアタマのなかもくぎってやろうかといいたくなるけど、もちろんそんなことはいわないで、しょうがないので出動することになる。問題を解きにいくために、ネマキのままクルマにのりこむことになる。おれってなんていいやつなんだろうとおもうのはこういうときだ。ほんとに、こんないいやつ、ちょっといないよ? わかってる? とバックミラーにうつったじぶんの顔につぶやきつつ、エンジンをかけたりしている。しかしあんまりいいやつなのもかんがえもので、あんまりつごうよくほいほいこたえていると、むこうもそれがクセになってしまうらしくて、どうも子供が疑問にかんじたことはおれにきけばいいとおもいこんでしまってるフシがある。どうみてもそれはおれにきくべきことがらじゃないだろうみたいな質問をされたりする。「あのさ〜、フクガ上体ソラシってあるだろ〜、あれってさ〜、座高のたかいひととひくいひととでは〜、どっちが有利なんだ〜?」うそじゃない。ほんとにそうきかれたことがある。ただたんにそれをきくためだけに電話をかけられた。さすがにこのときはおれもただちに電話をたたっきりたい衝動にかられた。たぶん、この電話をかけてきたたわけもののデキのわるいガキが、あいや、あまりオツムリのよろしからざるお子さまが疑問をおもちになったのだ。そんでもってオヤにきいて、そんでもっておれにオハチがまわってきたのだ。だがお子さまよ、いいかよくきけ、じんせいにはな、いちいちそんなことにこだわってられっかってことがたくさんあるのだ。べつにこだわってもいいけど、おれにまでこだわらせるんじゃないっ。おじさんはいまそれどころじゃないんだ。じんせいのフクガ上体ソラシであっぷあっぷなんだ。それだけならまだしも、じんせいのリツイ体ゼンクツだとかじんせいのフミ台昇降だとかなんだとか、盆と正月の反復ヨコトビがいっぺんにきたみたいなとこで、とてもきみのその深淵な疑問につきあってるヒマはないのだ。つうか、おじさんとしてはだな、そんなわけのわからんことぐだぐだいうまえに、フッキン鍛えとけフッキンっ。といってやりたいのはそれはもうヤマヤマなんだけど、でもやっぱりそんなときでもおれはいいひとなので、そこはぐっとこらえて、「座高がたかいほうが有利っぽいなあ」とかなんとかこたえるのであった。こんなのにまでつきあってるからますますテキがずにのっちゃうのかもしれない。そのうち「ウデが短いほうがナナメケンスイには有利か」とかもきかれだすんだろう。そのたいろいろ。やれやれです。 |
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