[2002年07月16日] 継続

 継続は力なのであろうか。たとえ力であるとして、それはいかなる力なのか。筆者の浅識はこれについて適当な意見を提示できない。ただひとつの事例をのみここにかかげて諸兄の判断にゆだねることとする。
 てなわけで先日、時差ボケでねむられずグ〜グルにてきとうな単語をうちこんであそんでいて、明け方ちかくに筆者はその偉大な継続者たちを発見したのだった。キーワードは筆者の出身高校である。それででてきたホームページを気のおもむくまま訪れるうち、筆者はそこにたどりついた。たどりついたのは「ブリティッシュプログレッシブハードロックバンド」とみずからなのってはばからないという、なにやら強力にマガマガしい楽団のページである。ブリティッシュロック。プログレッシブロック。ハードロック。そのどのひとつをとってもつけるクスリがないところにもってきてみっついっぺんに指数爆発的にやってこられたひにはもうなにがなにやら、とにかく強固な意志と確乎たる決意だけはみとめてもいいが、その方向にかんしては運命的な不安をいだかざるをえない楽団である。不安におののきつつさいしょにバンドのプロファイルをみると、1976年だか77年だかわすれたけど、とにかくそのころの結成とある。なんだよそれ、じゃあもう25年もやってるのかよ、よくやるよなあ、でもたしかにそのころだったらプログレってひそかにはやってたもんなあとよみすすめるうちに、すぐに気がついた。こっ、これは黒岩くんのバンドだっ。く、黒岩くん、まだあれやってたのかっ。さよう、それは筆者の高校時代のクラスメイトのバンドなのであった。クラスメイトどころか、当時十六歳くらいの筆者がヴォ〜カリストとして参加したバンドなのであったヽ(´ー`)ノ。とつぜんつかいなれぬ顔文字などをつかってみたのだがこれでつかいかたはあっているだろうか。そもそも顔文字のとちゅうであなたのブラウザは改行したりしていないだろうか。という主題と関係のない心配はさておき、そのとき筆者が唄ったのはキングクリムゾンの「偉大なる詐欺師」だとかイエスの「ラウンドアバウト」とだとかピンクフロイドの「タイム」だとかイーグルスの「ホテルカリフォルニア」だとかええとあとなにやったっけな、とにかくそんなんである。イーグルスというところがなにやら日和っているが、なにしろ高校生のやることなのでしょうがあるまい。そしてこのホームページを発見した筆者の脳裏にはそのとうじの放課後の教室や文化祭のステージなどの情景がマガマガしくもくるおしくおもいおこされ、時差ボケ対策ではじめた検索娯楽であったのにもかかわらず、いっきに二十五年もの時差ボケの世界にたたっこまれることとあいなった。そ、そうか〜。黒岩くん、ま、まだアレ、やってたのか〜。ブリティッシュプログレッシブハードとかいうからには、い、いまだにあのまんま、あのま〜んま時間がとまっちゃった世界なんだろうな〜。ほんっと〜にきみらって、アレがすきだったんだなあ。と、ここまで継続されると感無量とか対自核とかいった感想しかでてこないバンドメンバーは全員が四十歳で、しかもヴァイオリンがいるところが泣かせる。なんで泣かせるかわからないひとはそのへんのプログレずきのおじさんにきいてみてください。そんでさらにホームページのライブの報告などをみるとかれらはいまだに精力的にコンスタントに活動しているらしい。会場はというと、地元の市民会館だとか地元の高校の文化祭だとか地元の夏祭りだとかである。う〜ん。そ、そんなところまでいまだにあのころのまんまなのか。そんなに地元密着型なのか。そして、いまだに文化祭にでてるのか。よ、四十になってまだ高校の文化祭でプログレやってるのか。うまく想像できないけど、でも、現在の高校生にはかえって新鮮かもしれんなあ。よくわからんけど。新鮮だったらいいね。でも、牛久河童祭りの野外特設ステージにまででちゃうのはちょっとやりすぎじゃないかなあ。浴衣をきて河童音頭を踊ってるひとらのまえにでてエピタフとかやるのは、そ、それはさすがにちょっと、偉大といえば偉大かもしれないけど、でもやっぱりモノゴトには限度があるわけで、偉大にも限度というものがある気がして、おれみたいな気のよわい小市民は、想像しただけで胸がはりさけそうなんだけど、う、う〜ん。でももしかしたら、ここまでつづいちゃったんだからあと25年くらいつづきそうだな。そしたらおれたちは六十五か。そんでエピタフとかやったら、なんていうか、ほんとにエピタフだなあ。などと筆者のこころを千々にみだしてくれる偉大な継続者たち。ことしも河童祭り、でるのかな。でるんだったら、とおくからみてみたいな。いや、ちかくからはいいよ。とおくからでいいよ。みてみたいな。なんだかちょっと楽しみできちゃったな、ということしの牛久河童祭りは来週末(たぶん)。

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